そう仕向けたのは僕/暗闇れもん
 
「お腹が空いていたの」

可愛い妹はそう呟いた

僕の怒りを恐れ、下を向く妹

違う

そう僕は思った

あどけない

心をくすぐる様な笑顔こそ

妹には相応しい

透き通るような肌
誘うサクランボの様な赤い唇

何もかもが僕の心を激しく狂わせ

時に残酷な欲望まで目覚めさせる

可愛い妹

抑えていたのは理性

でも

妹の唯一つの言葉で脆くも崩れ去る

「好き」

その裏には何の策略もない純粋な言葉

でも

僕には麻薬よりも激しく我を失わせるものでしかなかった


「お腹が空いていたの」

妹の声が遠くで聞こえる


好きだよ


頭を埋め尽くすのは恐怖ではなく

妹の一部となる自分自身への賛歌





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