生きていく、ということ/松本 卓也
何の為にと言う疑問さえ飲み込んで
ただ生き延びる事だけを目的に
たまに吐きたくなる愚痴も飲み込んで
安酒で心を誤魔化す日々が続いてく
何をやってるんだろうなんて
そんな疑問を抱く事で慰めていく
いつの間にか少年の頃思い浮かべた
未来とは違う自分の姿にさえ言い訳を作ってた
目の前の仕事を不器用にこなして
毎月末のお給料をご褒美に
少し贅沢な食事をしたとしても
月曜のたびに憂鬱を抱えている
この指から生み出されたものは
何処で誰に繋がっているのかな
もしも僕の見えていない場所で
誰かの暮らしの糧になっていれば
生き甲斐って何なのだろう
何を救いに生きて
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