ねえ/umineko
 
 どんなに泣いたって
 もう帰ってこないんだ
 みんながつらいんだ

 泣きじゃくる声と
 なだめるような太い声

 人影のまばらな待合室で
 空気の密度がそこだけ違う

 あんたがそんなふうで
 なあ
 残された
 ゆうちゃんのためにも

 あんたがしっかりして
 それで
 あの子の分まで
 ゆうちゃんを守ってやらにゃ

 しゃくりあげる
 声

 声


 やっぱり子供は
 ふたりがいいよ

 あの日
 誰かのアドバイス

 だってひとりだったら、さ
 もしもの時に
 さみしくて
 かなしくて
 立ち直れないじゃないか

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