268番のK/はじめ
 
分の顔を映して自分を観察する
 彼女は来てくれるだろうか
 部屋番号さえ教えていない
 彼女は無事にここまで来れるだろうか?
 僕のことを愛してくれるのならばこの場所が分かるだろう
 最上階にありながら地下にあるこの部屋
 部屋には僕の好きなゴッホの絵とココシュカの絵が飾られている
 ウィスキーの氷がからん、 と乾いた音を立てた
 もうすぐ約束の時間だ
 この時間までに彼女が来ないと想いは拒否されたことになる
 一気に辺りは暗くなる
 キングサイズのダブルベッドの傍の明かりが点いて性欲の衝動を促す
 時間は刻々と約束の時間に近づいている
 い・つ・か は死んだ
 僕は?今?を待っているんだ
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