眠る世界と繰り返し/なかがわひろか
 
何かの儀式の様に開かれる
この暴動は
一つの革命を起こす
それは成功しようとも
失敗しようとも
どちらでもいい
どうせいつか、また暴動が起こって
今の正を逆にするだけだから

僕は世界の隙間から
そっとその光景を覗いてみる
思い出作りの様に
奇声を上げる人もいれば
拳を振り上げるちょび髭のおじさんも見える

見慣れた光景に
世界は眠そうで今にも瞼を落としそう

うつろうつろした声で
世界が言う
次の革命の朝に
起こしておくれよ

僕はまた世界が目を覚ますのを
待つばかり

おやすみ

今はゆっくり眠りなよ

ちょうど今、次の繰り返しが
始まったみたいだ

(「眠る世界と繰り返し」)

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