花豚/
よつやとうじ
運命線が雨
さよならする
道はみどり
くグもる街は
ガラスの塔に映る
奥二重の妊婦
婦人科の空に
末路なびかせる
現象として
なりを潜めて
わたし
人の群れに
混じる
喜びの破裂
かなしい抱惑
だから
どうか
ツィリリリリも
許さないで
白い腸に
響くからと
重力を盗んだ
わたし
青い肌の
わたし
ひとより濃密な
蓄音の果実
戻る
編
削
Point
(2)