花豚/よつやとうじ
 
運命線が雨
さよならする
道はみどり
くグもる街は
ガラスの塔に映る
奥二重の妊婦

婦人科の空に
末路なびかせる
現象として
なりを潜めて

わたし
人の群れに
混じる
喜びの破裂
かなしい抱惑
だから

どうか
ツィリリリリも
許さないで
白い腸に
響くからと

重力を盗んだ
わたし
青い肌の
わたし
ひとより濃密な
蓄音の果実



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