停春/ねなぎ
 


四音がゆっくり
眠らせて
思案の青さが酸いように
身に染みて溶けもせず濁る

青くなりいく
季節の底で
捻れて曲がって
繋れて
異様に密度が増していく

春の底で
沈殿した塊が
ゆっくりと凝固していく

未だ寒く底冷えて
けれども息吹は
盛られて歪に硬くなる

圧されれば
痛み
熱を持ち
揚力を見上げては
打ち付けられて
襟を掻き併せ
身を締め
底で固まる

僕は柔らかくも慣れずに固まった身を抱えて
動けずに梅の痛みに咽ている
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