雪/蒼木りん
 
音もたてずに
せっせせっせと降る雪は
障子にカサカサとあたっては散る

世界が埋もれてしまうほど
積もった雪は
薄桃色の明かりを放って
夜半には
ぴたりとやんだ

あんまり積もったので
笑ってしまう
あしたが大変

雪をかいて
道を作らなければならない
電車も止まる
遅刻が許される

嘘みたいに晴れて
目が痛い
小屋の屋根が
こんもりマシュマロ

粉雪片栗粉
ぐぐっぐぐぐっと
踏みつけて
いくらでも雪を壊しに行く

空のうんち
どっさり
陽に融けて
土に含まれて
純水になる

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