新春自縛霊/はじめ
踏切前のジュースの自販機の横にいつも君は立っている
全身の血を抜かれたような青ざめた顔でじっと僕を見ている
何か懇願しているように見える
僕は足早に立ち去る しかし君は視線で僕の腕を離さない
しかたなく僕は君に歩み寄り 溜め息をついてこう話す
「今回は何? 話したいことがあるなら早く言ってよ。彼女と初詣のデートの約束してるんだから」
僕はイライラ気に聞く
するとプールに入れない子供のようにブルブル震えながら君はこう切り出した
「う、うんとね、僕もみんなが行っている、その、初詣っていうものに行ってみたいんだ…君に連れて行ってもらえないかなぁ…」
「無理だよ無
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