良い詩を読ませてくれないか?/松本 卓也
 
社会であるかのように

振舞う影は中途半端
まずは間違いの根本が
自らの思想にある事からはじめよ

心地よく映る社会は狭いのだ
傷つけられた世界よりも遥かに
取り残された関係よりも幾分と

生身の軋轢さえ耐える事もできず
指で形作る長方形程度の空間で
儀善意を見せびらかす自慰に没頭し

天使のように振る舞う事も
悪魔のように撒き散らす事も
所詮は逃避に過ぎないのさ

淀みも吐き出さず取り繕われた
理想なんかに傾倒するほどまでの
角砂糖が入った珈琲は飲みたくも無い

嘔吐しろ
腐肉にも似た
隔絶の隙間で放つ魂を

それこそが本当の詩なのだ

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