五月の青/霜天
窓を開け
飛んでいく空の
深いところの青
広がっていく五月の
高い高い記憶は
思い出せば浮かび上がる
ただ一面の青
遠く限りが無いような
遥か流れていくような
沈んでいけるなら いつまでも
駆け回る鳥の
名前を思い出せないけど
今はそれも
ほんの小さなことで
見上げ
吸い込み
吸い込まれる
遠い遠い青は
いつかの子供の頃の記憶と
誓った夢のかたちとを
近くここへ連れてくるから
すべてを取り戻せた気分になれる
五月の空
駆け回る鳥
遠い記憶の欠片
深い深い 青
一枚の絵のように繋がる風景
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