マリー・ベル、君の殺意は、とってもとっても突き抜けている/うおくきん
れども、まったくもって違ったんだね。
僕には、君の殺意が理解できないよ、悲しいけれど。
じゃあ、君の殺意を僕に向けて殺っちゃってくれていいよ。そうすれば、僕の殺意があの人たちに向かうことがなくなるから。
もう耐えられないんだ、泣きながら包丁を握り締めて、お父さんとお母さんを殺っちゃう妄想に浸るのには。
もう耐えられないんだ、自分の殺意に。
だから、お願い、君の殺意で僕のことを殺っちゃってほしいんだ。
ごめんね、こんな大事なことまで人任せで、ごめんね。
もう耐えられないんだ、自分の殺意に。
マリー・ベル、君の殺意は、とってもとっても突き抜けている。
君によく懐いていたあの子を笑いながら首絞めて殺っちゃうなんて。
とってもとっても異常なサイコパスだよね。
だけれども、僕は、ソコに憧れる。
だって、屈折少年なだけの僕には、まったくもってそんなことができるはずもないから。
戻る 編 削 Point(3)