忘れた/サナギ
ねえ喧嘩がおっぱじまるが
常にそれをこなしていく
自分がそれをやめるまで
あるいは子どもを育てる時
子供をおぶってと言うが
それはつまり
子供が離れていく年齢になるまで
常に死なないように見張ってるってことだ
そのために
ありとあらゆるくだらねえ心配事がふりかかってくるが
常にそれをこなしていく
自分がそれをやめるまで
常にというのは
自分が望もうがそうでなかろうが、だ
背負うことと
常に、は
離れることがない
このあやふやな身体
あやふやな意志
あやふやな連中が多い中
常にっていうのは結構難しいんだぜ
もちろん
自分がそれをやめるまでの話だが
一度背負うと決めたら
それをやめるってのは
悶絶もののかっこ悪さだ
それに背負うものってのは
それに見合うだけの価値が
自分の中では必ずあるんだから背負うんで
別に誰かに強制されたわけじゃねえだろ
しっかし何で俺は墓標なんだろうか
確かにこれは俺が決めたことだが
いつどうして決めたのかは
もう忘れた
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