ヴォミット01/虹村 凌
 
みんなが笑っているので鏡を覗いた
口の周りが乾いたヴォミットでカサカサになってた
おい 何でお前はそんなツラしてんだ?
鏡を叩き割って走って逃げた
追いかけてきた駅員の足は遅くて
俺は走りながらまたヴォミット
道しるべ

いつからかヴォミットが止まらない
ずっと昔は反芻してた気がするけど
もうヴォミットするのに慣れちまった
回遊魚みたいに
ヴォミット止めたら死んでしまう
そう言ってる間にもヴォミット
また誰かが笑う黄色く短い指を向けて

気付けば後ろ指しか指された事が無いかもしれない
込み上げるヴォミット噴出すヴォミット
両手から溢れ出るヴォミット
みんな遠巻
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