花摘む乙女/さき
 
薄めた
貴方を
この世のものにしたい
と思う私は
そしてその首筋に
私だけの印をつけたい
と思う私は
やはり
突飛で
貴方をきっと
困らせ続けるのでしょう



長い
長い冬の夜を
過ごした後は
固まり
冷えてしまった
自分自身に手を焼いて
たまにこうして
花を摘みに行くのです
可憐な花びらに触れて
たおやかな茎を折り
まだ
そんな自分を
夢にも思わずにいた
乙女だった頃を
貴方にも
見せたいと
思って








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