レール・アローン/
倉持 雛
8本目の電車
見送る僕
閉ざされた踏み切りに
興味等ない
進むことこそ
僕の義務
20本目の電車が通る
ただ立ちすくんで
動けない僕
止まったまま
停まったまま
32本目の電車
僕は線路に立っていた
その時見た
窓越しに移る君に似た影
近づく電車
僕の足は動いた
帰り道
用意されない筈だった朝ご飯を
どうしようかなんて考えながら
歩く僕
気付いたら泣いていた
それでも
家に帰る足取りは軽かった
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