ぐるぐう/soft_machine
 

鈴鹿のみねを越える雲をじっと見つめて
マッチ擦ったようなくしゃみ
きいろい糸くず
動けなくなって
きっと今でもにおってぶらぶら
よっぱらいのはだかの尻に
かみついたら放られた
おならしながらぐるぐう
おしっこしながら壁に
ぶつかってぐるぐう
ふしぎな声でなきやがる
そのくせずっとだまっていたい
そんな感じのなみだを
みせるあくびして
つめたかったろうな
散らばった毛をあつめながら
つぎはお前がうまれる前から
そばにいたいと願う

ここはお前の家だから
ひとことの遠慮もいらないんだ
お前がみつけて
たまたま俺がいただけの場所
とっくに地震で傾いて
誰も住めなくなったから
仕事帰りに眺めてる
変ななきごえと
おしっこでできた墓標
映す貯池で出会ったのは
釣糸が垂れる波紋をみつけて
その奥が気になって
しかたなかった
そんな顔してついてきて
一緒にくらした
ぐるぐう
すこしのあいだ
並んであるこう
いまも変わらない丘の波を
クレーの夕日を
おいかけたり
ふりかえったりして





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