時間は無情に/山崎 風雅
 
ような人種がいることを知った
 世界は広いのだ
 自由の意味を初めて知った
 自分の可能性を信じることにした

 あまりのカルチャーショックに
 帰国してからはブラックバスのように
 強くなったが恐れられてしまった
 頭はヒートしてしまって
 精神病院に強制入院させられてしまった


 独房に入れられ完全に狂人扱いだった
 同じく狂った人達を相手に自分のアイディンティティを身につけた
 もうこれ以上は落ちることのない安堵感もあった

 投薬のおかげでおとなしくなった
 廃人になった
 檻に入れられたショックは消せない
 そうしながらも時間は無情に過ぎていった
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