木蓮を見る(キャベツ太郎の話)/ミゼット
てこないか
光の届かない暗がりに目を凝らします
『星というのは恒星です。
あれらは全て太陽です。』
表紙の取れた図鑑を音読します
『星の瞬きとは、すなわち地球の空気の流れです。』
毛布に包まって読みます
『宇宙での距離は「光年」つまりそこへ光が到達するまでの時間ではかります。
ですから何億光年先の星の光が地球に届く頃、その星が消滅していることがあるかもしれません。』
公園には外灯が三本立っていて、変に黄色い、寂しい色をしています
「光らない星はあるのかしら。見えないってことは宇宙では無いってことなのかしら」
答えはありません
雨が好きだといったあの子は
きっとコン
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