再生の歌/はじめ
 
 天国から贈られてきた歌を聴くと
 荒んでいた心が洗われたような気がする
 背中に翼が生えて
 夜空を飛び回れることができる
 人間は殺生という罪を償うために自ら翼を削ぎ落としたのだ
 君の心に語りかける
 生きる為にはしょうがなかったんだよ
 僕が胸の中で歌うこの歌は君の心に届いているかな
 クリスマスに独りぼっちの君
 この雨は僕が降らせているんだよ
 僕に会えなくて寂しい君
 どうして雨を降らせているかって?
 それは君の涙を目立たなくする為だよ
 人々は雨に夢中になるから
 誰も君の泣き顔なんて見ない
 僕にも泣き顔は見えない
 降りしきる雨の中 君は僕と待ち合わせしたベンチで待っている
 僕にはもう会えない
 一度あんなにも心を壊してしまったから
 もし会いに行こうとしても必ずすれ違うことだろう
 そういう運命なんだ
 いくら全能の神でも運命を変えることはできない
 僕は車に引かれたんだ
 だからこうやって天国から贈られてきた歌を聴いて
 最後に君にこの想いを伝えているんだ
 ずっと愛していた ってね
戻る   Point(5)