一輪挿し/こしごえ
 
星明りの瞬く夜道を
皮ふと同化している
水晶時計の周波数と歩む
果てしない さようなら の骨格が、ひんやりうずく
しろく曲線にそった静寂(銀のしずく
の波紋)の右旋性が
夜風にとじられたままで
茫洋たる夢をつらぬきとおす
荼毘にふした花の葬列が かおる
閃光が夜道を照らし
うかびあがった
ほそいくびをたおる
ゆびさきのしろいバランスが
遠く傾斜しながら
私をすべるように いける








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