癖とスタイル(親指1000字エッセイ)/佐々宝砂
今私は、記憶障害の副作用のある薬を服用した上でこれを書いている。文体の癖が現れやすい状態だ。自覚している癖はいくつかあるが、特に嫌になるのは馬から落ちて落馬しちゃう癖だ。だらだら書くとよくそうなる。レトリックの手法として故意にやるならともかく、ついやっちゃうのはね…いいこととは思えない。直したい癖なので、こうしてケータイ使って字数制限のある文を書いて矯正しようとしている。
なかなか思い通りに直らないのが癖だが、スタイルは自分の思い通りになるよう作り上げるものだ。私が1000字程度の文をきっちり四段落に書くのは、そういう書き方を私の乏しいライター経験において叩き込まれたからだ。
私は時々
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