回想/はじめ
 
 僕はいつも喋っている
同級生達が試験勉強している静かな教室で
もう受験諦めたんだ
 勉強している前の同級生にしょっちゅう話しかけては
 日本史演習用プリントの裏に詩を書いて見せている
 同級生はうん、と頷くだけだ
 まともな詩の批評なんてできるはずがない
 前の同級生がさらにプリントを渡し
 「これ一杯に何か書いてみてよ」と注文してくる
 あっという間にプリントを真っ黒に埋める
 できて渡すと同級生は素っ気ない表情でそれを受け取り
 しばらく見入っている
 緊張の一瞬だ 唾をゴクリと飲んで相手の感想を待つ
 「いい、いいよ」と少しだけ微笑んで再び前を向く
 僕
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