暁の巡礼/モーヌ。
れる
ひかりの 閉塞を 通って こなければ
減ぜられて からで なければ 現れない
語らないものたちの 語らい...
それに 沿って ゆきたくって
12弦を 流れる ストリングスを
弦には とどかない 思いの まま
雲を 打ち払い ながら 弾いて 語る
また いくえにも 強弱して 織り なされた
ひかりの 厚みを 感じる 織物に 巻かれて...
おまえの フィールドを よぎって
霧の なかの 戦場を 生きて 鳴った
晴れた日 という 虚空へ
朝へ と 変わった いまの 花は
冬の なかから その 色を ひびき
唄を ひらいて 生まれて ゆく
聞こえる 音夢(ねむ)の うしろすがたは 終わらず
弦の ふるえを 走って ゆく
雲の 記憶の ままに 降り かかり
残された 雪粒は ほほを かすめて 過ぎて ゆき
青から 赤へ ほっ と ほてって 呼び ながら
つぶって いた まぶたを 飛んだ
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