針の無い秤/瓜田タカヤ
新しい夜が訪れた
さあ もうボクハ行かなければならない
鬼さんこちら手の鳴る方へ
と言う人が誰も居ない
そもそも初めから存在しない
ウサギ色のネズミがなんだっけ
穴掘って待ってるんだっけか
ドブを流れる芋虫が何だっけ
誰だったっけ
それが俺だったっけ
コーヒーを女の口の周りに垂らす時は
必ず口の周りだけに垂らさなくてはイケナイ
唾液と混ぜてはイケナイ
だってもしその女とキスすることになったら
コーヒーの味がしない方が良いでしショ!
唾液だけを純粋に楽しむべきでしょ!
真昼の田舎町を彷徨きながら
マンコがある場所を指さして
「マンコ!」って言い続ける自分のためだけのコント
針のない天秤で
全て計りきる
今 海王星かどっかへテレポーテーションして
死んでいく様を妄想する
永遠に凍りつきたい程度の願いと恐怖のために
身体を硬直させ
びっくりしながら
中途半端な事を考える
例えばそれは
針のない
時計の事とか
小太りの肉体を意識して
妄想ゲームで
秤だっけかとか
思い直したり
戻る 編 削 Point(0)