マルボロ(リミテッド・エディション)/高田夙児
 
てこなかった
  ガラス戸越しに見えるマンションの明かりは
  僕の家のようでもあり そうではなかったのかもしれない
  はい 900円
  ピ とバーコードをよんで Bは煙草の入ったビニール袋を突き出した
  僕はそれを受け取って 1000円札を出した
  釣りはいらねえよな
  と笑って Bが言う
  まぁ と僕は曖昧に笑ってコンビニを出た
  冷たい風がまだ春を 冬が追いかけている 
  と思った



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