孤空のコーラルグリーン/はじめ
 
 電車一本バス二本乗り継いで君の通っていた大学へ行く
 鉄道研究会の部室には君が毎日書き記していた日誌が置いてある
 僕はそれを広げてみる
 君の文字が丁寧にしかし可愛く刻まれている
 文章を読んで君の顔が浮かんできた
 屋久島まで鉄道と船だけで行った時のことが書かれていた
 あの時の君は灼熱の太陽の下 晴天の青空の下 真っ白い肌の君は素敵だった
 日焼け止めクリームを塗る姿も白のハットもとっても可憐に見えた
 海の色はコーラルグリーンだった
 船が港に着いた頃には既に太陽は沈んでいて屋久島を行き交う船が橙色に染まってとても美しかった
 近くの民宿に泊まり翌朝屋久杉を見る為登山
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