ポートレイト/umineko
の放列を浴びて
私は見知らぬ男に向かい
憎悪のこぶしを振り上げたのち
真夜中
目につくあらゆる事象に全て
君の名前をかぶせよう
そうして
君の横顔を
写真立てから切り抜いて
片端から貼ってゆくのだ
目に映るすべてのものが君だ
思い付くすべてのものが君の名を呼ぶ
ホームページの表紙にも
ぺたぺたと君を張り付ける
どんななぐさめも拒絶するほど
ぺたぺたと張り付ける
もう君を傷つけるものはないから
もう君を守る必要はないから
世界中の誰よりずっと
君は安全な場所にいるから
そうして
私は君になる
私は君の名前を名のる
人は私を狂っているとささやくかもしれない
そうかもしれない
それはとても自然なことだ
私は狂ってしまうかもしれない
そうかもしれない
それはとても自然なことだ
君の横顔をじっと見つめる
人は私を廃人と呼ぶかもしれない
そうかもしれない
戻る 編 削 Point(2)