贖罪/明日葉
 
忘れないで居ることが罰

そう言った私を、

笑った貴方は今
海に赤い灯をまだ燈して
どこで何をしていますか。


明日も忘れないよう、
罪を反復するのです。


黒い海をまたぐのっぺらぼうに

見つからないよう、
褒められないように。



踏んでいく轍も、

消えかかった日々に
多少なりとも幸せを加味して
積み立てられる筈なのに。

明日が薄れないよう、
罰を咀嚼するのです。

やっぱり置いておけばよかったと
捨ててしまったクーポン

嗚呼、
いつも後悔ばかり
いつも後悔ばかり。


しんどいです。
やっぱりしんどかった。

覚えていることで償えるとばかり

若さは傲慢さと紙一重
アイデンティティもたいがいです。



それでも、

明日を小指でなぞり、
傷に埋もれないよう、
明日も忘れないよう、
罪を反復するのです。

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