「手のひらの地図」 (青年詩片)/
ベンジャミン
図には記憶はない
けれど常に
先を見通すことなく先があることを告げている
手のひらを見つめる
その地図の上に立つ自分を見つめる
どんなに辛くとも
どれほど覆いたくなるような現実があっても
それで顔を隠し
見つめる先を閉ざすためにあるのではないと
言い聞かせる
手のひらを見つめる
たとえ今がどこであろうと
まだその途中であることに気づく
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