*スフィンクスの密輸入*/かおる
縁のような大陸の
青森県八戸とほぼ同じ緯度に存在する
決して眠らない街、衆愚の町、ビッグアップル
丘の島のド真ん中、摩天楼の緑の憩いの場の
東側中央に鎮座する美術館に所有されている
スフィンクスに岡惚れのあたし
保護する為にエジプトにあった神殿が
そっくりそのまま移築、展示されているが
ギザの大スフィンクスはまだない
クリスマス時期には
教会のファサード前に
大きな樅の樹が飾られうきうき陽気な気分で
怪盗ルパンかキャッツアイに変身
ちょいと失敬したいスフィンクス
(実はあたしのハートに密輸入済み)
印象派へと至る大回廊の一画で
朝は四本足
昼は二本足
夜は三本足
と声高に
オイディプスに問いただしている凛々しいお姿
手に触れるものも目に見えるものを信じずに
己の内面に問いかけると
まるで男女間の火花が見えるような一枚が出現するらしい
あたしのスフィンクスは絶対見るべき傑作である
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