ある春の日/山崎 風雅
 
 つないだ手のぬくもり
 暖かな日差しに照らされ
 おもわずステップしてしまいそうな
 そんな


 ある春の日


 公園にはいり
 芝生の上に仰向けで寝る
 鳥達のさえずりが聞こえて
 俺は風を感じる
 そんな


 ある春の日


 もう戻らない今
 すれ違いの人々
 家族の美しい姿を肴に
 ビールを流し込む
 そんな


 ある春の日


 季節から追い出されないように
 しっかり生きていることを感じるように
 魂が青い空に吸い込まれていく風船のような
 ちょっぴりめまいのする
 そんな


 ある春の日


 
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