大地が眠る時刻まで  /水無瀬 咲耶
 
 私の頬に唇をそっと 寄せることだろう

[[ その時まで 翼ある者よ
   私を 拒み続けて下さい ]]

歓びや感動の羽毛では空へ羽ばたけない
歯ぎしりや哀しみをばねに生きぬくのだ
風を鋭く切る羽根が生成される 魂ノ辺リデ
人は皆 祈りの火花を散らす孤高の溶接工だ
今宵丈夫な翼を造形(あーと)しにゆくよ
私ノ生命ガ吹キ込マレル時刻 虚空へ飛翔できるだろう
より高みへ友に導かれ 光の痕跡を辿るのだ

  *  *  *

体が眠り 大地へと閉じられ
心は永遠の彼方に実ってゆく
夜ごと夢見るように旅立って
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