はる/光 七清
 
ふわり

肌の上でじゅっとこげてしまう花びらが
僕をめがけて落ちてくるので
よる、ねむることができない

ふわりふわり

君の黒い目があんまりものいいたげにまあるいので
桜の枝がしなっている
こちらを向いてゆっくりと開いたあの花の白い柔らかな花びらを
むしりとってしまいたい
衝動に僕はかられて

ふわりふわり
ふわり

見上げた空に満天の花びら

ふわり

僕についた火が
消えないくらいに

ふわりふわり、ふわり

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