そめられる鳩/soft_machine
 
のは
いつもまだらな空にうかんで
踊っているおまえだから
仕事中も
食事しながら
秋桜に寄り道して
タイム・カードをつき刺した
ふちどりのあるまぶたが
においをあげてふるえる
いちどきりのいのちを休めば
つぎはいつだか分らない
形見のクロスを空に切って

おまえと目があう
あたらしい時が絶えない
おまえは
たしかにうなずいた
けれど
いっぽんの絃がどこかとおくで
触れた
何かが
見えていた

しげみではべつの鳩が
くびをのばして待っている
おまえはしずかに染められながら
歪んだ車輪で回転して去る
労働者の列に歌をうたった
透明で
もう錯覚しながら
風がふくたび
これで別れだと





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