王女メリサ4/atsuchan69
 
せることになる事実も知らせよう。というのは、永年にわたり余の側近として仕えた書記官モーリスの裏切りである。彼は信じがたいことに敵モナカイの間諜であった」ここで一度どよめきがおきました。王は杓をふってその場を鎮めます。「いやいや。その罪は死によって償われ、彼はもうすでにいない。悪の病根はとりのぞかれ、我が王国は晴れわたる空のようにかつての健康をとりもどしたといえよう。まさに直面する危機は彼によるもので、彼亡き今、一点の問題もこの国には存在しないのである」
 妃の従者から起こり、はじめまばらだった拍手も、ぽつりぽつりと輪をひろげ、やがてついには城をおおいつくほどの渦となって捲きおこりました。

              つづく・・・・
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