王女メリサ4/atsuchan69
わびています。城下にひろがる不穏な空気もあり、またよくない噂も飛び交っていましたので皆は「ついに来たか」という面持ちでした。それでも王さまは赤いマントを翻し、なぜか不敵に笑ってあらわれました。
王さまは颯爽と玉座に就いたのち杓をもちあげ、
「諸君!」
と、言いました。そのあと広い部屋の隅々をまんべんなく見渡し、「案ずるではない」とつづけました。「ついに余みずからが戦地に赴くべきときが来た。しかし余は敵をみごと打ち破りふたたびこの国に平和と繁栄をもたらすことを約束する。その間、今ここにいる者たちが一致協力し、全力をもって城を支えいただきたい。尚、余の留守を護るすべての者に言っておく。余はこ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)