王女メリサ4/atsuchan69
 
て美によって満たされることはないのです」
「ではあなたも・・・・魔王のために?」
「はい。でもまだ名を馳せてはおりません。才能というより彼に対する“憐れみ”がボクにはまったくないのです。魔王のお気に召していただくにはずいぶんとまだ時間がかかりそうですね。名声は、魔王があたえる評価のあらわれですから」
「それではお食事のあとあなたのお作りになられたものをお聞かせいただけますでしょうか?」
「はい。よろこんでお聞かせいたします」

 王女の客間にうつり、やがて彼は窓辺に立って自作の詩を吟じはじめました。
  {引用=
  涙がこぼれ落ち 美しく、せつない想いが胸を焦がし
  たと
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