アクアリウム/花田春菜
そらがあく 月といる
ガラス色の空気
アナタが昇った虹はどこにあるのかわからない
ただのユメだった こわれそうだった
ぐるぐる回るたくさんの月 ひびく
どうしても追いつけない走れない目も見えない
どこ?
わたつみにさらわれたアタシ
とけていく 遠くなる つめたい夜
そらがあく 月といる アナタ
虹の色が降って
昇れない 手をのばして ガラスの破片をつかむ
やぶれた皮膚からながれるものだけが
あたたかいわ
今きっと アナタは泣いた 少しだけ 見えていた
そらが欠けていく
きっと明日には月もおちるはずよ。
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