渋滞/はじめ
っていないのに
このままじゃ間に合わないな
ハンドルを人差し指でトントンと叩いて前の車がちょっとでも進むのを待っている
前の車の排気ガスで視界がさらに見えない
僕はチッと舌打ちを打って内側からフロントガラスを擦ったが何も変わらなかった
妻が「何無駄なことやってんのよ!!」と激しく怒鳴った
僕はごめんと後ろを向いて謝った
彼女はイライラしていてちょっとしたことでも気に障るらしく僕は一挙一動に神経を費やさなくてはならなかった
車が数十センチ動いた
僕は雪を退けるついでに車を降りてどのぐらい先まで渋滞が続いているか見てみた
…果てしなかった
肩の雪をほろって運転席に戻るとバックミラー越しに妻を見てこう言った
「卒園式間に合いそうにもないね」
妻はふぅーと溜め息をついてしかたないわね、という顔をしていた
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