騎馬戦/望月 ゆき
交差点の時計の下で
待ち合わせ
あいにくの雨降りに
バロメーターは下がり気味
早く着いてしまった時は
ろくなこと 考えないものだ
信号が変わると 交差点は
いっせいに動き出し
わたしは 運動会の騎馬戦を思い出した
あそこの知らないカノジョの
水色の帽子なら 取れそう
そしたら 雨に濡れずに済むのに
髪型も くずれなくて済むのに
水色の帽子へと 心の手がのびる
のばした手の
指の間にあなたの顔
とたんに わたしは
前髪ばかり 気にする
前髪ばかり 気にする
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