星空/hiro
母さんは夜遅くまで起きて
父さんの破れた仕事着を縫っていた
僕ら兄弟は掛け布団を首の上までひっぱり上げ
窓から見える冬の星空を眺めながら
子守唄を聞いている
なかなか寝付けなかいから
星を見つけては線で結んだり、
星を見つけては数えたりしていると
瞼がだんだん
光の届かないところにつれていった
鈴の実をつける大きな大木がある森の奥では
フクロウが侵入者がいないかと
周囲に目を光らせている
ムササビは物音立てず
鈴の木の周りをゆったりと飛びまわる
静まりかえった森に
リンと一つのベルがなる
その瞬間
フクロウたちは鈴をくわえ
一斉に夜空へと飛
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