「春待ち」/和 路流(Nago Mitill)
青い空を夢見て 目を閉ざし
僕は ずっと待っていたんだ
春が僕のもとへ やってくるのを
春が来て あたたかな陽と優しい風が辺りに満ちたら
その時 僕は目覚め 大きく花開こうと思っていた
灰色の重い空の下 木枯らしの吹きすさぶ不毛の地の上
僕は ずっと待ち続けた 春が僕のもとへ やってくるのを
何年もの間 目を閉ざし続けた僕は
現実逃避という名の 長い長い夢を見ていた
鏡を直視することもできず 斜め向こうの歪んだ自分と目を合わせ
何もかも上手くいかないのは まだ自分のもとに春が来ていないせいだと信じて
僕は ずっと待ち続けた 春が僕のもとへ やって
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