青い香り/杉山 さち
 


私は再び自分の小さなキャパを完全に越える出来事に出くわし
ささやかな不幸が重なりバイクを飛ばして高台にある総合公園の一番高い
丘の芝生の上に座り煙草を吹かしている

なんてくだらない出来事

なんてくだらない日常

どれも大した事ではなく一つ一つを取り出し解決すれば
なんてことはない出来事たちだ

けれど私は再びこのように逃げているのだ





何も変わってはいない


何も持っていない


私はあの頃と全く変わっていないのだ


既に子供とは言い難い年齢になり
昔のように青い香りは肌からは感じられぬというのに






私は何も変わっていないだ




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