さよなら/水在らあらあ
 



今、踏んだ、枯れ枝
その中に眠っていた想い
遠ざかってゆく
永遠に

今、放った、貝殻
僕の手のひらの温度を引いて
遠ざかってゆく
永遠に

雲は遠くの水平線に砕け
その下を一艘の船が行く
何を積んでいるのか
何を引きずっているのか

長く長く引き伸ばされた致命傷だ
そうやってみんな溺れてゆくんだ
そうして日はいつも傾いて
いつまでも傾いて

誰のことも悪く言わないよ
おじいちゃんとおばあちゃんが手をつないで歩いている
誰のことも悪く言わないよ
銀河のことも この世の煉獄も

透明に透けてゆく僕のナイフには
たくさんの物語が刻まれてい
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