ひとり、一つ/
詠乃
どんなに近くても
どんなに近づいても
あなたとわたしは別の人
けっして同じ人にはなれない
一人は独り
さみしくてもかなしくても一人
うれしくてもたのしくても独り
ちぎって分けあうことは出来ても
一片も残さず重なり合うことは無い
身を分けて血を混ぜた相手でも
独りは一人
だからこそ違うのは当たり前
その目線で映したものを教えて
一人独りの内から広がる世界
重ならなくても混ざり合うものはある
ひとり一つでも
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