「天国の底」/和 路流(Nago Mitill)
手のひらを 空へ かざそう。
瞳を軽く交わしあい、
そして、僕たちは生きていこう。
いつの日か、何処からともなく集まっていた。
他人と自分の涙で、冷たく手を染めて巡り会って。
新たな自分が知ることを、互いに、認め。
そして、僕たちは再び生き始めるのだろう。
僕ら、この心臓が打ち始めた時は違うけれど
一緒に居れば、きっと必ず、鼓動が重なる瞬間が存在する。
罪を許してくれとは、互いに問わない。
ただ、誰もが悲しみを胸に抱えて
いつか、それを語り合えればいいと
ここから互いのために祈っている。
魂の熱を 分かち合おう。
この手は、誰かを支え
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