【 情けは人の為ならず 】/豊嶋祐匠
つかの間のお礼を
僕に言う必要は無いよ
君の左に居る人へ
その思いを
差しのべるだけで良いから
いつか僕の右側から
やって来るかも知れない人
そして見知らぬ異国の人から
君に助けられたと
そんな声を聞く事があれば
君と出会ったあの日から
どれほどの人の思いやりが
受け継がれて行ったのかと
涙を流す事もあるだろう
君と僕は
住む世界は違うけれども
住む世界が違うからこそ
成しえる事もあるのだと
僕は
そう思えるだけで、十分だよ。
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