ロンリー症候群/はじめ
と冷たいのだ
パソコンの光だけが暖かくて手を当ててみた
霜焼けになっていた手の動きが少しだけ柔らかくなった
僕の中から苦しいものが後ろへ抜けていった
ボ・ク・ハ・コ・ド・ク・デ・ス
そう打ちたかった
しかし詩を書いているとなぜかみるみると力が湧いてくるのだ
僕は一人暮らしで布団の上でパソコンを打っている
今日もまた真夜中を通り過ぎた頃に詩を書いている
後でコンビニでも行こう
腹が空いたから
僕は急に陽気になり思いつくままに詩を書く
僕はエンジンがかかるまでしばらくかかるのだ
闇と親密になり孤独と性行する
吸い込む闇は最高の気管支拡張吸入器だ
部屋全体が僕の体となる
闇の温度が上昇していく
それとも僕が室温に合わせて体温を下降させているのか
僕は爬虫類以下だ
壁に伸びた影からぐるぐる巻きの舌の影が飛び出している
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