形状/霜天
 
指先で辿るだけのものにも
どこかに意味はあったのだ
そう気付かせてくれる君たちの声は
どこまでも、仄かに明るい
埃を被ったままの本の
隙間を捲る指の順番から
繋がっていくものがある
体温と、そうでない場所
床下から忍び寄ってくる温度に
盗まれているのは、僕らではないのかもしれない


どうにでも言い訳のつく季節に
何らかの意味のある形状を君に刻みながら
僕という記憶がかたちになっていく
体温と、そうでない場所
その隙間を指先で辿ると
君が、君たちから
まるで溢れていくように
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